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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
線上閱讀三好 十郎《叢書名著の復興1 恐怖の季節(きょうふのきせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,544 字 · 508 頁
その理由を私は次ぎのように考える。
いわゆる「味もソッ気もない」客観的手法や「散文精神」と言ったような「非情」の把握――つまり早取写真式の手段というのは、もっと正確な言葉で言えば、現実の真相を、よりリアリスティックにとらえたいという欲望と必要から来たルポルタージュ方式のことである。そして、ルポルタージュ方式にとって、不可欠なものは第一に、そのルポをなす当人の自我の知情意が高度にそしてキンミツに確立されている事だ。次ぎに、そのルポされる現実の中を「千里を遠しとせず」に当人が身をもって通りすぎて来るだけの努力(即ち「足で書く」ということ)である。この二つが、二つながら、これらの人々に不足している。自我の確立が不充分又は放棄されている事は前述の通り。そして、たいがい坐り込んでムヤミと酒を飲んだり、せいぜいバアやダンスホールなどを歩いて、妙な婦人や文学青年やその他あれやこれやの偶然に逢った人々から「世間話」を聞いては、それに自分の「人生観」ですこしばかり味をつけて作品を書くというのが彼等の実情らしい。それが悪いと言っているのでは無い。作家も人間だもの。