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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
線上閱讀三好 十郎《叢書名著の復興1 恐怖の季節(きょうふのきせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,544 字 · 508 頁
仙太 お前がこんなところにノコノコくるのからして酔興だぞ。どうだ、お妙さん達者かえ?
段六 お前、戦に出かけるのではねえのか? あれについて行かなくてもええか?
仙太 うん、いや、俺あこれから、呼ばれているんでお山へ行くんだ。
段六 そんでも、その刀……。ひっこめてくんな、仙太公。
仙太 これか、そうか。よしよし、(抜身を鞘に納める)
段六 そっちの奴は、それはあんだい?
仙太 これか、これは砥石よ。
段六 砥石だと? 砥石を何にすっだい?
仙太 刀を磨ぐのよ。刀あすぐに斬れなくなっからな、磨いじゃ斬り磨いじゃ斬りするのよ。
投六 人をかえ? ……ウーン。
仙太 お妙さん、子供達、丈夫でいるのか?
段六 (初めてわれに返ったように)……ウム。何がむごいというたとて、仙太公、お前ほどむごい男はいねえぞよ。こうしてやって来た俺を掴まえて、しょっぱなにいうことが。お妙さま丈夫か? いくら、お前、嬢さまに惚れているからというても、そいつは、むげえというもんだぞ! 俺だとて、お妙さんのこと、優しい綺麗ないじらしい嬢さまだとは思うている、思うていればこそ、お前のことづけた金を持ってってやって以来、ズーッと植木にいて面倒見て来たがそんでも、俺あ惚れているのとは違うぞ! 見損っては貰うめえ。