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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
線上閱讀三好 十郎《叢書名著の復興1 恐怖の季節(きょうふのきせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,544 字 · 508 頁
段六 俺とこの畳の上で病気で死なしゃったのならば、こんねえにいいはせぬ。人に斬られて死なしゃったのだ。
仙太 お、人に斬られて※(感嘆符疑問符、1-8-78) だ、誰だ、斬ったのは?
段六 それがわかるものか。しかし人の噂では何でも(四辺をキョロキョロ見廻して)ここの天狗の者が斬ったというぞ。
仙太 う、嘘をつけ! 証拠があるか?
段六 証拠はねえ。去年の暮、そうだて、あれはお前が金を持って俺とこへやって来て、お妙さまに持ってってやるように頼んで行った次の次の日だ、結城様の軍夫が沢山斬られて死んでると聞いて、もしやと思って行って見たら、その中に仙エムどんがいた。ここからこう、たったの一太刀で割りつけてあったあ。うん……。あんでも、仙エムどんは方々をウロウロして暮している間に、結城の藩士につかまってしまい、無理やりに雑役に使われていたらしい。その時の兵糧米の俵ば担がされていたのを、ブチ斬られて米は天狗に取られてしもうたそうな。
仙太 ……どこだ、そ、それは?
段六 佐分利の方の縄手だ。
仙太 あんだとっ! 佐分利の繩手! さ、さ、佐分……!
段六 あによ、そ、そんな恐ろしい顔すったい? ああに、下手人はわかりっこねえ。