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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
線上閱讀三好 十郎《叢書名著の復興1 恐怖の季節(きょうふのきせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,544 字 · 508 頁
仙太 (殆ど威圧されて)……へいっ!
加多 (短い間。……再び静かな句調)……どうだ、仙太? それでも行けぬとあれば、仕方が無い、お前、山を下って脱走しろ。とめはせぬ。
水木 いや、それはいかん。軍律に依って、こんな……。
加多 今日限り山を下れ。
仙太 ……加多さん、行きやしょう。
加多 江戸へか?
仙太 へい。
水木 そうか! よし、行ってくれ。しかし、手加減をすると承知せんぞ!
仙太 斬ると言ったら斬ります。しかし加多さん、俺あその、甚伍左の親方あ、ご免ですぜ。
加多 それはならぬ! 恩は恩、義は義だ。
仙太 恩のことじゃねえ、親方がそんなことをなさる筈はねえ、何か行き違いができているんだ。
加多 どちらにしろ、井上君の命令通りにやれ。お為派の策士等と薩州あたりの牒者をスッカリ斬ってしまわぬうちは、ここへは帰ってくるな!
井上 じゃ、急いで行こう。仕度は?
仙太 これでいい。じゃこれはいただいときます。
水木 無くなれば、そう言ってよこせよ。しかし、なるだけ、それの無くならぬ間に、手早くやれ。
仙太 では、加多さん……。(すでに先に立って歩き始めている井上の後に従って、花道へ。