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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

線上閱讀三好 十郎《叢書名著の復興1 恐怖の季節(きょうふのきせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,544 字 · 508 頁

青空文庫

5

このままで行けば、これら戦後派の人々の大部分が間も無く、その左がわにいる人たちはナロウドニキ風にゾロゾロと左翼に流れこんで行くであろうし、その右がわにいる人たちは自然主義風な正宗白鳥式な「日本製」の barren ニヒリズムにイカリをおろしてしまいそうに思われる。その他のモダーニストやペダントやハイカラ小僧どもは、どこでどうなろうと、どうでもよい。

そして、第一のナロウドニキ風に左翼に流れこんで行くであろう連中のことも、この場合、大して問題にするにたらぬ。なぜならそれは、大体において、自分のカラダがよごれていると思った人間が共同浴場に入ったり、自分の頭がすこしおかしいと感じた人間が精神病院に入院したり、自分の呼吸器の変調に気がついた人間がサナトリアムに入院したり、また考えようで、威勢よくセリあげられているダシの上に人が乗りたがるのに似た現象であって、べつに批難したり押しとどめたりすべき事がらでは無い。この点では、戦後派の人たちに限らず、日本の文化人・文学者・小説家の大半――世間で世相派とか肉体派とかエロ作家とか言われている――たとえば丹羽文雄、石川達三、田村泰次郎、舟橋聖一(丹羽氏や石川氏や田村氏や舟橋氏よ、たびたび例に引いて失礼ごめん)などという人たちの大半が、あと半年か一年も