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こてんりゅうとうだび

古典竜頭蛇尾

太宰 治

線上閱讀太宰 治《古典竜頭蛇尾(こてんりゅうとうだび)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,603 字 · 6 頁

青空文庫

伝統のちからであると世人は言う。ピンポン大学の学生であるという矜持が、その不思議の現象の一誘因となって居るのである。伝統とは、自信の歴史であり、日々の自恃の堆積である。日本の誇りは、天皇である。日本文学の伝統は、天皇の御製に於いて最も根強い。

五七五調は、肉体化さえされて居る。歩きながら口ずさんでいるセンテンス、ふと気づいて指折り数えてみると、きっと、五七五調である。――ハラガヘッテハ、イクサガデキヌ。ちゃんと形がととのって居る。

思索の形式が一元的であること。すなわち、きっと悟り顔であること。われから惑乱している姿は、たえて無い。一方的観察を固持して、死ぬるとも疑わぬ。真理追及の学徒ではなしに、つねに、達観したる師匠である。かならず、お説教をする。最も写実的なる作家西鶴でさえ、かれの物語のあとさきに、安易の人生観を織り込むことを忘れない。野間清治氏の文章も、この伝統を受けついで居るかのように見える。小説家では、里見氏。中里介山氏。ともに教訓的なる点に於いて、純日本作家と呼ぶべきである。

日本文学は、たいへん実用的である。文章報国。雨乞いの歌がある。