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こずのしんじうべきていど

古図の信じ得可き程度

木暮 理太郎

線上閱讀木暮 理太郎《古図の信じ得可き程度(こずのしんじうべきていど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,637 字 · 8 頁

青空文庫

此字は今も湖の所在地に冠しあれば、其地域の昔と異ならざるを察す可く、唯湖名と地名と孰れが主にして孰れが従なるやを知る能わざるも、恐らく湖名直に地名となりしものなる可し。かかれば菅沼なる地名は、菅沼なる湖の発見を語るものにして、時は明治に先立つこと実に百八十余年の昔なりとす。

斯く菅沼の既に発見されたる上は、其事実を知りたる何人なりとも、之を地図に顕す場合に於ては、字地を異にする丸沼及大尻沼と区別す可きは、当然の事ならんと予想せらる(此際余は『正保』より約四十年後に改選されたる『元禄図』を見るを得ざるを以て、一言の之に論及し能わざるを遺憾とす)。然るに其後に至りて出版されたる絵図の数は素より二、三種にして止まらざるも、尽くツウラ沼なる名の相承け相継ぎ、終に明治に至る迄百八十余年に亙る長日月の間、菅沼なる名を採録されざりし事実は、或は各図編者の目的とする所他にありしが為なりとするも、一面に於て誤脱遺漏を補正す可き材料を得ること殆ど不可能なりしに帰因するものなる可く、独りツウラ沼のみに止まらず、其他の山川の名称の如きも、同じく明治に至る迄一として『正保図』