輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こせんのなぞ
古銭の謎
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《古銭の謎(こせんのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,885 字 · 26 頁
「何、何を怪しからん事をいうのじゃ、疑わしい事でもあるなら、見てもらおう。隅から隅まで、堪能するまで見てもらおうじゃないか、向う側の泥棒猫が、何んか余計な事でもたき付けたんだろう」
ベルを鳴らすと娘が出て来ます。
「この方は探偵だ相じゃ、笑っちゃ失礼だよ……、尤もこの御人体を見せて、若い娘に笑っちゃいけないという方が無理かも知れないが……ウフッ」
娘もたまらなくなって、ハンケチで顔を隠してしまいました。
南老人、そんな事は委細構わず、浩一郎母子の室でしたと、同じような事を、根気よく繰り返して、しさいらしく首を曲げて居りましたが、
「春山氏から遺された、支那の古銭というのを拝見し度い」
というと、娘は黙って引こんで、自分の室から、少し手ずれのした、青銅の刀形の古銭を持って来て、父のうなずく顔を見乍ら、南老人へ渡してやりました。
「これを一日拝借し度いが」
「それはいかんといったら、向う側の泥棒猫を引合に出すだろう、あなたを信用するわけじゃないが、向う側より秘密主義だと思われるのが業腹だから、勝手に持って行きなさるがいい」
「それは有難い」
南老人は、けろりとして、それをかくしの中に滑りこませました。