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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(一)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 頁
伝六のうるさくなるのも無理のないことでしたが、すると右門がうそうそと笑いながら、おどろくべきことをぽつりといいました。
「廓へはいる以上は、遊ぶと決まっているじゃねえか。おれとて、石や木じゃねえんだからな」
のみならず、ほんとうに遊ぶけはいで、どこにしようかというようにあたりを物色しはじめたものでしたから、とうとう伝六がうわずった声を出してしまいました。
「そりゃだんな、ほんとうですか!」
「ほんとうだよ」
「きっとですね!」
「きっとだよ」
と――。聞き終わったそのとたんです。何を考えついたか、伝六が突然まっさおな顔になって、ややしばしからだを震わせていましたが、不意に変なことをいいました。
「だんな、あっしゃもう帰らしていただきます」
がらにもないおびえを見せたものでしたから、今度は右門のほうが不思議に思ったので――
「バカだな、いざとなっておっかなくなったのかい」
「いいえ、ちがいます」
「じゃ、うちへけえって、おめかしをし直して来ようというんか」
「めったなことをおっしゃいますな! 遊ぶとなりゃ、あっしだって、顔やがらで遊ぶんじゃねえんです」
「そんなら、なにもしり込みするこたあねえんじゃねえか。