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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(一)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 頁

青空文庫

では、さっそく呼びたてまするでござりましょう」

心得たもののごとくに立ち上がりましたから、右門があわてて呼びとめました。

「まてまて、女はおおぜいいらぬ。その者ひとりでよいぞ」

「え? だんながたはおふたりでござりますのに、お敵娼は、あの、おひとりでよろしゅうござりまするか」

これは少し解せない注文でしたから、揚げ屋の者がいぶかってきき返したのを、このときまで黙って聞いていた伝六が、何がためひとり呼べばいいか、右門の意のあるところはちゃんともう知っていたので、突然横合いから口をさしはさみながら、例の調子でがらっぱちにしかりつけました。

「うるせえや。ひとりだって半分だっていいじゃねえか。煮て食うんでも、焼いて食うんでもねえんだから、さっさといいつけどおりに呼んできなよ」

特におしゃべり者をと注文したあたりといい、ふたりの男に女はひとりでいいといったあたりといい、揚げ屋の者はしきりとうさんくさがりながら引きさがっていきましたが、やがてのことに、注文の者に相当する女がみつかったとみえて、ひとりの花魁をそこに伴ってまいりました。

見ると、いかさまがさつ屋らしく、そこらあたりの小格子遊女ででもあるのか、すこぶる安手の女で、あまつさえもう大年増です。