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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(一)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 頁
「わしの慈悲が肝に銘じたならば、逃ぐるようなこともあるまいによって、流罪のおさばきが決まるまでこのまま当屋敷に起きふしをさし許すから、その間にじゅうぶん島へ渡るしたくなど整えておくがよいぞ。――では、伝六、そろそろまた主従ふたりきりの大名道中いたそうかな」
そして、伝六に槍をかつがせると、さっさと表へ出ていってしまいました。
――その翌々日の朝でありました。右門の貸してやったあの立て札の機知によって、案の定残りの卍組三人をめしとって、あばたの敬四郎がほくほくしながらお組屋敷を訪れると、精いっぱいの感謝を現わしながらいいました。
「いや、おかげで、えらいてがらにありつき、お礼のいいようもござらぬ。どうしたらよろしいか、てまえにはくふうもつかぬが、何をお礼にしたらよろしゅうござろうな」
すると、右門が言下に答えました。
「拙者へのお礼よりも、これから先、ここにいる伝六なぞを、あまりむごく扱わぬことがなによりでござりまするな。お互いこういうかわいい小者があってこそ、お上のご用も勤まるのでござりまするからな」
そして、そこに敬四郎がいるというのに、右門はたったそれだけいってしまうと、なにごともなかったような顔つきで、もうつんとあごのひげをまさぐりだしました。