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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(一)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 頁

青空文庫

よ」

「そうか、さすがは仏に仕える者じゃ。よくてがらをたててまいった。では、伝六ッ、今度こそはほんとうに十手の用意がいるぞッ」

善根善果はてきめんで、許しがたき罪をも許してやったばっかりに、かく居ながら事がとんとんと運ばれましたものでしたから、右門の一行は躍然として、豆からはえたごとき愛らしき少年僧をまんなかにいたわりながら、ただちにそれなる四谷の毘沙門天をめがけて八丁堀を立ちいでました。

行きついてみると、なるほど熊仲和尚の報告どおり、南部名物くまの手踊りはいまし興行のさいちゅうでありました。がんじょうな木造りの檻にはいっているのは大小二頭の荒ぐまで、そばには道化た服装をした男が三人ばかりむちを携えて付き添いながら、かわるがわるにとんきょうな声で口上を言いたてました。

「さあさ、前へ回ってよっくごらんなさいよ。これは奥州南部兜明神ガ岳の山奥でいけどりましたる女夫ぐまでござい。右が雄ぐま、左が雌ぐま。珍しいことには、人のことばをよく聞き分けまする。安珍清姫恨みの恋路、坂田の金時女夫の相撲、牛若丸はてんぐのあしらい、踊れといえば、そら、あのとおり、――牛若丸はてんぐの踊りとござい」