輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(一)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 頁

青空文庫

「では、おあとからお越しなされませ。わたくしが先に参りますわ」

いっしょに水煙が上がって、波間に彼女の姿はくねくねと動いたとみえたが、まさにそれは人魚です。明るさまさった月光を浴びて、青の水に白を浮かして、ただ美しく悩ましき人魚です。さるをどうして波沼兄弟ばかりがあとを追わないでいられましょうぞ! うしろに右門がそれを手ぐすね引いて待っているとも知らず、おのおの腰帯一つになると、抜き手をきってつづきましたから、鋭く右門が杉弥に命じました。

「さ! このあいだに、あの両名の腰のものをお改めめされよ!」

はじめてわかったもののごとく、杉弥が駆けだして、伝六のさし出した龕燈の下に中身を改めていましたが、と、まもなく歓声が上がりました。

「ござりました、ござりました。兄の要介めが帯びていたこれなる一腰の刀身、たしかに見覚えの村正にござります」

きくと同時に、右門が水の上へ叫びました。

「百合江どの、百合江どの! 杉弥どののご難儀は救われましたぞ!」

さて、もうあとはぞうさがなかったのです。根が深い悪心のあったことではなかったものでしたから、要介は神妙にすぐ自白をいたしました。