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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁

青空文庫

小林玄竜 四十三歳。左京流小太刀、ならびに山住流含み針指南。

同妻、かね三十八歳。

同娘、菊代、十九歳。

その名もなまめかしく菊代、十九歳としてあるのです。同時に、莞爾として笑みがのぼると、さわやかな声が放たれました。

「住持! 玄竜の所が見えぬようじゃが、これはなんとしたのじゃ」

「なるほど、ござりませぬな。いかい手落ちをいたしまして、あいすみませぬ。じつは、よくひっこしをいたしますおかたで、近ごろもまたお変わりのようでござりましたゆえ、あとから書き入れようと存じまして、ついそのまま度忘れいたしましたのでござります」

「お上にとってはたいせつな人別帳じゃ。以後じゅうぶん気をつけねばあいならんぞ。移り変わったところはどこじゃ」

「目と鼻の弁天町のかどでござります」

「手数をかけた。――じゃ、あにい!」

がらりと江戸まえの伝法に変わると、シュッシュッと一本独鈷をしごきながら、はればれとしていったことです。

「眼に狂いのねえのが自慢よ。相手はとにもかくにも道場だ。十手もいるが、命も七、八ついるかもしれねえぜ。こわかったら、小さくなってついてきな」

ものもいえないほどに意気張りだした伝六をうち従えながら、ゆうぜんとして訪れたのは弁天町かど屋敷のそのひと構えでした。