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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁

青空文庫

まったく、あれはいちいちやることがかわいかったね。ある晩もね、鼻の頭に梅干しの皮をぺたりと張って、チュウチュウとねずみなきをしながら、お勝手もとをはいまわっていたんでね。何をバカなまねするんだといったら、こうしてねずみをとるんだというんですよ。江戸じゃいっこう聞かねえ話なんだが、鼻の頭に梅干しなんかを張っておいたら、ねずみがとれるんですかねえ。え……? だんな! とれるんですかね」

「うるさいッ。だれか庭先に来たじゃねえか」

なるほど、ちらりと縁側の向こうに人影がさしたので、なにげなく障子をあけて、ひょいと見ると、これがただ者ではない、まことに久方ぶりでのお目みえですが、同僚のあのあばたの敬四郎です。声もかけずに、無断で人の庭先までも押し入るとは、ふらちなやつと思いましたが、同役同僚とはいうものの、とにもかくにも先輩でしたから、何ご用かと名人みずから立ち上がって縁側まで出迎えると、こやつ、よくよく生まれながらのかたき役でした。顔じゅういっぱいのあばたを気味わるくゆがめて、意地わるそうにせせら笑いながら、いきなりいいました。

「捕物名人とやらいうおかたは、お違い申すな」