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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁
「名物、だんご召し上がっていらっしゃいまし」
「雨でご難渋でござりましょう。一服休んでいらっしゃいまし」
赤い前だれをちらちらさせて、並み木茶屋の店先から涼しげに客を呼ぶ娘の声が透きとおるようです。
「わるくないね。あれが言問だんごですよ。娘もべっぴんどもじゃないですかい。――許せよ」
伝六、殿さま気どりで、許せよといったもんだ。しかし、はいりかけてひょいと見ると、いぶかしいことには、茶屋のその店先の人目につきやすいところに、巡礼笠が二つ、何かのなぞのごとくにかかっているのです。
坂東三十三カ所巡礼、同行二人と、あまりじょうずでない字でかいて、笠は二つともにまだ一度もかぶったことのない真新しいものなのでした。
「はてね。ちくしょう、だんご茶屋にゃ用もねえものがありますぜ」
伝六にすらも不思議に思われたものが、名人の目に止まらないというはずはない。つるしてあるのも不審なら、新しいところも奇怪、しかも笠の主の巡礼は、どこにもいるけはいがないのです。――きらりと光った目の色をかくして、ほのかな微笑をたたえながらはいっていくと、物柔らかな声とともに赤前だれの娘に問いかけました。