輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁

青空文庫

人の焼けるにおいがしましたんで、ひょっとしたらと思ってはいたんですが、のぞいてみるのもこわいし、よけいなことをしてまたつまらぬ疑いでもかかってはと、ひとりでびくびくしておりましたら、今のさきだんなさまが手もなくお見破りなすったんで、かかり合いになっちゃあと逃げだしただけのことなんです」

「まちがいないな!」

「ご、ござりませぬ」

「こちら向いてみろッ。向いて目をみせろッ」

こわごわふり向けたその目の色を、じいっと見すくめながら探ってみたが、濁りもない。乱れもない。いかさま、うそ偽りの色は少しも見えないのです。

「そうか! 狂ったか! 狂ったことのないおいらの眼が狂ったか! 用はない。いけッ」

吐き出すような、というよりもむしろそれは悲しげな嘆きの声でした。無理もない。天下第一の器量人、名宰相伊豆守ですらも舌を巻いて、あれは無比無双じゃと折り紙つけたむっつり流、狂い知らずのその眼に狂いがあったのです。もののみごとにはずれたのです。

かつてないほどにうち沈んだ姿でした。思案にあまり、思いに屈したというように、深くふかく考え沈みながら、踏む足も重たげにとぼとぼと取ってかえすと、ものをもいわずにすうとあの仕事場に上がって、かかえ持っていたなぞの青焼き人形を、静かにその前に置きすえながら、どっかと端座して黙々と腕こまねき