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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(二)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 221,941 字 · 435 頁
――秋たちこめた江戸は、松に栄えた濠ばたあたり、柳並み木の行き行く道に、わびしげなわくら葉を散らして、豆名月の月の出にはもう半刻とない暮れ六ツ少し手前でした。
2
「許せよ」
ずいとはいっていった覆面姿をながめて、お忍び通いのお客さまとでも思ったものか、初めのうちはやけにあいきょうを振りまいていましたが、さすがは目ききを元手の質屋に仕える少年店員です。例の巻き羽織を見て早くもそれと知ったか、顔色変えながらへたへたとそこへ手をついたのを、至極鷹揚にいいました。
「あるじはいるか」
「…………」
「ほほう、歯の根が合わぬようじゃな。八丁堀の右門じゃ。こわがらいでもよい。主人はいるか」
「あの、死にました」
「なにッ。いま死んだのか」
「いいえ、この春でござります」
「では、今、主なしの店か」
「いいえ、ござります」
「だれじゃ」
「番頭の十兵衛どのが、おかみさんの後見をいたしまして、主人同様に切り盛りしてござります」
「手数のかかるやつよのう。それならそれと初めから申せばよいのに、その番頭に用があるのじゃ。はよう呼べ」
聞きつけたとみえて、奥から姿を見せた者は女あるじの後見をしているといった番頭十兵衛です。