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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(二)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 221,941 字 · 435 頁
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しかるに、これがことのほか奇態でした。むろんのこと、駕籠でも拾って遠いところへでもしけ込むだろうと思われたのに、意外にも、十兵衛と女は、尾行しだして三町と行かないうちに、天神下から通りを右へ折れると、そこの皐月と看板の出た粋茶屋らしい一軒へ、吸われるようにはいっていきましたので、伝六、辰はいうまでもないこと、名人もいささかあっけにとられた形でしたが、しかし、犯人の十兵衛に対する疑雲は、依然まだ濃厚でしたから、ちょうどそこのかぶき門があいていたのをさいわい、足音忍ばせてこっそりと内庭の中にはいり込みました。
と――同時のように主従三人の目を射たものは、離れ座敷の障子に、ぽっかりと大きく映ってみえる四人の入道頭の黒い影です。しかも、その四つのうちに今はいっていった番頭十兵衛の影もたしかに交じっているのが見えましたものでしたから、そもなんの謀議かと、主従等しく目をみはっているとき、まさしく耳を打ったものは、ピシリ、ピシリ、という碁石の音でした。
「よッ、ちくしょうめ、やけにおちついていやがるじゃござんせんか! 碁なんぞ打ちやがって、野郎め、見かけ以上の大悪党かもしれませんぜ。