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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(二)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 221,941 字 · 435 頁

青空文庫

「たわけ者ッ、菜っ葉包丁みたいなものを、おもちゃにすんねえ! お月さんが笑ってらあ」

いいざま、ぐいとその二の腕を押えたは十八番の草香流です。それと知って、いちはやく逃げようとした若後家は辰の役目。ちょんちょんとすずめ足で追いかけながら、みごとな投げなわで押えていたのも、四尺八寸のお公卿さま、背たけに似合わずあっぱれでしたが、伝六がまたなかなかにがら相当なので――。

「うるせえ! 寄るなッ、寄るなッ」

物音をききつけて、どっと駆け集まってきたやじうまたちを追い散らしましたので、名人の鋭くさえたことばが、まず用人黒川を見舞いました。

「世間に知られちゃ、きさまも北村殿も割腹ものだ。手数をかけずにどろを吐けッ」

「…………」

「まだつまらぬ強情張るのかい。じゃ、びっくりするもの見せてやろう。この印形と質札に覚えはねえのか!」

「げえッ」

「おそいよ、おそいよ。こっちゃお献立ができてから押えたんだ。びっくりするまにどろを吐いたらどんなものだ」

「そうでござりまするか! どうしてお手にはいりましたか存じませぬが、その二品を押えられましては、お慈悲におすがり申すよりほかにしかたがござりますまい。