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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(二)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 221,941 字 · 435 頁

青空文庫

と思われるほどな逸品でしたから、ついひかれるともなくそのほうへ目をひかれました。

それと知って、ところかまわずがらッ八を始めた者は、例のとおりおしゃべり屋伝六で、こやつはほかのこととなるとご存じのようにいたってどじの伝六なんだが、どうしたことか回り気だけはおかしいくらい発達していたものでしたから、あたりには黒山のお客がいるというのに、おかまいなく右門を粗略に扱いながら、あけすけとやりだしました。

「ちぇッ、あきれるな。いくらべっぴんだからって、男のべっぴんじゃ、おかしくもおもしろくもねえじゃござんせんか。どんな帯をお買い上げだか知らねえが、買うなら早いことおしなせえよ」

その声がつつぬけに聞こえたとみえて、若主人陽吉がふとこちらを向きましたので、右門の視線と陽吉の視線とが、はしなくもそこでぱたりとぶつかりました。と同時に、どうしたことか、陽吉の両ほおがぱっと首筋のあたりまでまっかになりました。その赤らみ方というものが、また、まるで男とは見えないほどにいかにもういういしく娘々していたものでしたから、右門もちょっとそれにはめんくらったようでしたが、ちょうどそのとき手すきとなった店員が腰低くやって来て、注文の品を尋ねましたので、気がついてぶっきらぼうに答えました。