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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(二)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 221,941 字 · 435 頁

青空文庫

しかし、名人にとってはこれからが明知の奮いどころです。

しからば、何者が専介と辰のかたきであるか?

なんのために、専介がいどまれるにいたったか?

いどんだ敵は、切った敵は、どこの者か?

鋭くその目を光らして、専介の死骸を見調べていましたが、いつものあのからめ手攻めです。からめ手吟味のあの明知です。伊豆守を驚かして、ずばりとホシをさしました。

「よッ。これなる古橋専介どのは、絵のおたしなみがござりまするな!」

「そのとおりじゃ! そのとおりじゃ! 雅号を孔堂と申して、わが家中では名を売ったものじゃが、どうしてまたそれがわかった!」

「指に染まっている絵の具がその証拠にござりまするが、では、絵をもってご仕官のおかたにござりましたか」

「いや、わしが目をかけて使うていた隠密のひとりじゃ」

「なんでござりまする! 隠密でござりますとな! 近ごろでどこぞにご内命をうけて、内偵に参られたことござりましたか」

「大ありじゃ。何をかくそう! 生駒壱岐守の行状探らせたは、たれでもない、この古橋専介じゃわ!」

「えッ――」

名人右門はおもわず驚きの声をあげました。讃岐高松の城主生駒壱岐守に、不羈不行跡の数々があったために、その所領十七万石を没収されて、出羽の由利矢島に配流された事実は、つい最近のことだったからです。