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めいじんちょうじ

名人長二

三遊亭 円朝

線上閱讀三遊亭 円朝《名人長二(めいじんちょうじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 67,631 字 · 134 頁

青空文庫

長二かというように名高くなりまして、諸方から夥しく注文がまいりますが、手伝の兼松は足の疵で悩み、自分も此の頃の寒気のため背中の旧疵が疼み、当分仕事が出来ないと云って諸方の注文を断り、親方清兵衛に後を頼んで、文政三辰年の十一月の初旬、兼松を引連れ、湯治のため相州湯河原の温泉へ出立いたしました。

六

湯河原の温泉は、相州足柄下郡宮上村と申す処にございまして、当今は土肥次郎實平の出た処というので土肥村と改まりまして、城堀村にある實平の城山は、真鶴港から上陸して、吉浜を四五丁まいると向うに見えます。吉浜から宮上村まで此の間は爪先上りの路で一里四丁ほどです。温泉宿は湯屋(加藤廣吉)藤屋(加藤文左衛門)藤田屋(加藤林平)上野屋(渡邊定吉)伊豆屋(八龜藤吉)などで、当今は伊藤周造に天野某などいう立派な宿も出来まして、何れも繁昌いたしますが、文政の頃は藤屋が盛んでしたから、長二と兼松は此の藤屋へ宿を取りました。温泉は川岸から湧出しまして、石垣で積上げてある所を惣湯と申しますが、追々開けて、当今は河中の湯、河下の湯、儘根の湯、下の湯、南岸の湯、川原の湯、薬師の湯と七湯に分れて、内湯を引いた