輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
線上閱讀夏目 漱石《吾輩は猫である(『わがはいはねこである』じょうへん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 頁
毛穴から染み出す汗が、流れればと思うのに毛の根に膏のようにねばり付く。背中がむずむずする。汗でむずむずするのと蚤が這ってむずむずするのは判然と区別が出来る。口の届く所なら噛む事も出来る、足の達する領分は引き掻く事も心得にあるが、脊髄の縦に通う真中と来たら自分の及ぶ限でない。こう云う時には人間を見懸けて矢鱈にこすり付けるか、松の木の皮で充分摩擦術を行うか、二者その一を択ばんと不愉快で安眠も出来兼ねる。人間は愚なものであるから、猫なで声で――猫なで声は人間の吾輩に対して出す声だ。吾輩を目安にして考えれば猫なで声ではない、なでられ声である――よろしい、とにかく人間は愚なものであるから撫でられ声で膝の傍へ寄って行くと、大抵の場合において彼もしくは彼女を愛するものと誤解して、わが為すままに任せるのみか折々は頭さえ撫でてくれるものだ。しかるに近来吾輩の毛中にのみと号する一種の寄生虫が繁殖したので滅多に寄り添うと、必ず頸筋を持って向うへ抛り出される。わずかに眼に入るか入らぬか、取るにも足らぬ虫のために愛想をつかしたと見える。手を翻せば雨、手を覆せば雲とはこの事だ。