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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《吾輩は猫である(『わがはいはねこである』じょうへん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 頁

青空文庫

「しかし死ぬばかりだぜ」

「臣死をだも辞せず、いわんや肩をやと、一つ、こう行くかな」

「そうおいでになったと、よろしい。薫風南より来って、殿閣微涼を生ず。こう、ついでおけば大丈夫なものだ」

「おや、ついだのは、さすがにえらい。まさか、つぐ気遣はなかろうと思った。ついで、くりゃるな八幡鐘をと、こうやったら、どうするかね」

「どうするも、こうするもないさ。一剣天に倚って寒し――ええ、面倒だ。思い切って、切ってしまえ」

「やや、大変大変。そこを切られちゃ死んでしまう。おい冗談じゃない。ちょっと待った」

「それだから、さっきから云わん事じゃない。こうなってるところへは這入れるものじゃないんだ」

「這入って失敬仕り候。ちょっとこの白をとってくれたまえ」

「それも待つのかい」

「ついでにその隣りのも引き揚げて見てくれたまえ」

「ずうずうしいぜ、おい」

「Do you see the boy か。――なに君と僕の間柄じゃないか。そんな水臭い事を言わずに、引き揚げてくれたまえな。死ぬか生きるかと云う場合だ。しばらく、しばらくって花道から馳け出してくるところだよ」

「そんな事は僕は知らんよ」