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うたのたてやましんじゅういっきょく

唄立山心中一曲

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《唄立山心中一曲(うたのたてやましんじゅういっきょく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,835 字 · 61 頁

青空文庫

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なんのッて、ひらひらと来る紅色の葉から、すぐに吸いつけるように煙草を吹かした。が、何分にも鋳掛屋じゃあ納りませんな。

ところでさて、首に巻いた手拭を取って、払いて、馬士にも衣裳だ、芳原かぶりと気取りましたさ。古三味線を、チンとかツンとか引掻鳴らして、ここで、内証で唄ったやつでさ。

峰の白雪、麓の氷――

旦那、顔を見っこなし……極が悪い……何と、もし、これで別嬪の姉さんを引寄せようという腹だ、おかしな腹だ、狸の腹だね。

だが、こいつあこちとら徒の、すなわち狸の腹鼓という甘術でね。不気味でも、気障でも、何でも、聞く耳を立てるうちに、うかうかと釣出されずにゃいねえんだね。どうですえ、……それ、来ました。」

と不意に振向く、階子段の暗い穴。

小村さんも私も慄然した。

女房はなおの事……

「あれ、吃驚した。」

と膝で摺寄る。

藤助は一笑して、

「まずは、この寸法でございましてね、お道さんを引寄せた工合というのが、あはッはッ。」

六

「見ない振、知らない振、雪の遠山に向いて、……溶けて流れてと、唄っていながら、後方へ来るのが自然と分るね、鹿の寄るのとは違います。