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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

線上閱讀森田 草平《四十八人目(よんじゅうはちにんめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 56,183 字 · 112 頁

青空文庫

それをいちがいに不忠喚わりするのは当を得ない」

彼は在来の落伍者のためにも弁ぜずにはいられなかった。が、その下から、在来の落伍者と自分とを同じように見るということが、何となく彼の反感を唆った。

「だが」と、彼はまたすぐに考えなおさずにはいられなかった、「仇討の連盟が百二十余名に達した時、ただちにそれを決行したら、なるほど百二十余名の者が一列に死についたかもしれない。百二十余名は立派だが、その中にはまだ本当に死の覚悟のできていないものもあったに相違ない。そういう生半可のものを引連れて、吉良邸へ乗りこむということは仇討の美名の下に、一種の悪事を行うようなものではないか。死にたくないものを死なせる――というよりも、仇討に値いしないものを引率して仇討をするということが、悪事でなくて何であろう! よし吉良邸へ乗りこむことはできても、それでは御主君冷光院殿の前へは出られまい。そんな者の来ることを御主君は喜ばれないに相違ない。頭領はそこを考えていられた。いや、大石殿がそこまで意識していられたかどうかは分らないが、故意にしても偶然にしても、とにかく仇討を延び延びにすることによって、そういう生半可なものをすぐり落された、籾と糠とを選り分けられた。