輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
線上閱讀森田 草平《四十八人目(よんじゅうはちにんめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 56,183 字 · 112 頁
聞いている二人は思わず顔を見合せた。なるほど五十一人残っていた同志が、二人の逃亡によって、もはや四十九人になっていた。
「最初の脱盟者は例の高田郡兵衛だ」と、勘平は相手がそこらにでもいるように、一方を睨みつけながらつづけた。「あいつもこの春までは、安兵衛殿、孫太夫殿と並んで、硬派中の硬派と目されていた。それがどうだ、脱盟者の魁となってしまったではないか。安兵衛殿の話に聞けば、何でも旗本の叔父から養子にと望まれたが、だんだんそれを断っているうちに、そばにいた兄が弟は仇討の大望を抱いているから、お望みに応じかねるのだと、うっかり口を辷らしてしまった。叔父はそれを聞いて、『なに仇討? それは大変なことを考えている。天下の直参として、そんなことを聞き捨てにはならぬ』と言い張って、どうしても承知しない。そこで、叔父の言葉に従わなければ、大事が漏れて御一統にも難儀をかけるから、恥を忍んで身を退くと断って、連盟から脱退したということだよ。なるほど、その言分だけを聞けば、いちおうもっとものようにも思われるが、そのじつはどうだか分ったものじゃないね。それほど儀を重んずる心があるなら、なぜ自分からまず腹を切らないのだ? 命を捨てたら、どんな分らない叔父でも、まさか一統に迷惑を懸けるようなこともしでかすまい。