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ちていせんしゃのかいじん

地底戦車の怪人

海野 十三

線上閱讀海野 十三《地底戦車の怪人(ちていせんしゃのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,000 字 · 111 頁

青空文庫

「わかりました。おっしゃるとおりいくらでもスピードをあげます。しかし幽霊閣下は、この戦車を、一体どこへお向けになろうというのですか」

「目的地か。そんなことは、聞かないでも分っていそうなものではないか。ほら、その地図のうえの、ここだ!」

と、黄いろい幽霊は、操縦席の前にかかっている南極地方の地図のうえを、機関銃の先で指さした。そこには、絶望の岬と、妙な地名が書きこんであった。

「えっ、ここですか。ここは絶望の岬ですよ。いくらなんでも、こればかりは、おことわりいたします」

と、パイ軍曹は、顔色をかえた。

そうでもあろう、この絶望の岬というのは、この前、十九名からなるノールウェイの南極探険隊の一行が、岬へ上陸したのはいいが、そのまま険悪な天候にとじこめられてしまって、半年間も立往生し、ついに全員が、恨みをのんで、死んでしまった魔の場所であった。パイ軍曹が、顔色をかえるのも、無理ではなかった。

「いや、行くのだ。行くのがいやなら、すぐこの戦車から下りたまえ」

どこで聞いていたか、黄いろい幽霊は、パイ軍曹の口ぶりをまねして下りろといった。

「下りるのが、いやなら、銃弾をくらうかね」