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ちていせんしゃのかいじん

地底戦車の怪人

海野 十三

線上閱讀海野 十三《地底戦車の怪人(ちていせんしゃのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,000 字 · 111 頁

青空文庫

である。それでは、軍曹は、堅い鋼鉄と相撲をとるような、とても勝つ見込みのない力くらべを、していたことになる。

「ああッ」

パイ軍曹は、あきれかえって、自分がいやになった。とたんに、からだが綿のように、ふにゃふにゃになったように感じた。

「ほッほッほッ。戦車隊員ともあろうものが、そんな不注意で、御用がつとまるとおもうか」

黄いろい幽霊は、一本するどく、軍曹をきめつけたが、そのときどうしたわけか、地底戦車は、急にかたむきはじめたとおもう間もなく、あっといううちに、大きくでんぐりかえりをうち、とたんに車内の電灯が、すーっと消えてしまった。三人は、それぞれ、南瓜のかごをひっくりかえしたように、ごろごろと投げだされた。さあ、一体、何事が起ったのであろう。

三つの場合

海底は、まっくらであった。

だから、なにごとが起っても、皆目みえなかった。

みえなかったから、よかったものの、もし海底に、だれかすんでいる者があって、いま地底戦車が、断崖から、まっさかさまになって、墜落したそのものすごい光景をみていたとしたら、その人は、きっときもをつぶしたにちがいない。地底戦車は、石塊のように、ころげおちたのであった。