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ちきゅうをねらうもの
地球を狙う者
海野 十三
線上閱讀海野 十三《地球を狙う者(ちきゅうをねらうもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,493 字 · 30 頁
その下には、例の草色の粘液がじくじくと泡をふいていた。
「これはおどろいた。博士は人間じゃなかったんですよ」
「まあ。どうしたってわけでしょうね」サチ子は真ッ青になって、僕にすがりついた。このとき僕は、博士の手帖をおもいだした。
「サチ子さん。ひょっとすると、これは火星の生物かもしれませんよ」
「ええっ、火星の生物ですって」
「しかし、火星の生物が、轟博士に化けていたとはどういうわけだろう」
この恐ろしい疑問は、僕がふたたび手帖をひろげて、先刻の手記のつづきをよんだ結果、解けた。
その手記には、こんなことが書いてあった。
「――火星の生物は、高等植物の進化したもので、火星上の動物を支配し、その肉を好む。ちょうど、わが地球とは反対である」
また、こんなことも書いてあった。
「――火星の生物が、地球へ攻めてくるときには、まず最初われら人間と同形をした耐圧外被をかぶってやってくるであろう。それは人間にちかづいたとき、相手から警戒せられないためだ。これは想像だけではない。現に自分は昨夜、居室の窓外から妙な奴がこっちをうかがっているのを見かけた。そやつは、奇怪にも余と同じ顔をしていたのには、ぞっとした。