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じしんなまず
地震なまず
武者 金吉
線上閱讀武者 金吉《地震なまず(じしんなまず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 98,954 字 · 195 頁
明治十八年に厳父が准判任御用掛を拝命して、月俸金七円を支給されることになった時には、家計いよいよ窮迫、赤貧洗うが如き時であったから、家族一同狂喜したということである。
鹿児島中学は県立中学造士館となり、再び変わって高等中学造士館となった。旧制高等学校に昇格したのである。
先生は学力試験に及第して入学の資格は与えられたが、困ったのは従来のように官費ではなくなったことであった。厳父には学資を負担する資力がない。先生は止むを得ず二人の兄君に手紙を書いて援助を乞うた。
次兄の手紙は冷たかった。大言壮語を止めて適当の職につけというのである。それに反して長兄の返事には、自分は甘んじて犠牲になるから初一念を貫けと励ましてくれた上に金六円の為替が封入してあった。当時長兄の月給は金八円に過ぎなかったのである。
先生は造士館入学を取り止め、上京して一高に入った。一高時代には薄手の冬服一着で間に合わせ、夏は網シャツ一枚、冬は小倉の白シャツで調節した。靴下は全然用いなかった。
明治二十四年東京大学理科大学物理学科に入学した。
先生が物理学科を選んだのは、全く鹿児島中学教諭渡辺譲理学士の感化であった。