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じしんなまず
地震なまず
武者 金吉
線上閱讀武者 金吉《地震なまず(じしんなまず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 98,954 字 · 195 頁
事の真偽は保証致しかねるが、「安政見聞誌」は相当に信用の出来る本だから、おそらくでたらめではなかろうと思われる。しかし昔の話は信用しかねると言う人もあろうから、近年の地震の時の例をあげて見る。
大正十二年九月一日の関東地震の前日、木下成太郎氏が赤司文部次官とある相談をしていた。何分にも残暑がひどいので、向島の水神に出かけて凉を納れていると、池の中で何かしきりに跳ねている。コイでも跳ねるのかと思って女中に尋ねると、この間からむやみに鯰がはねるのですと答えたので、よく見ると如何にも鯰だった。その時は格別気にもかけなかったが、翌日大地震が起こったので、さてはと思ったそうである。
その後岸浪静山という画家にこの話をすると、静山氏は帝展に出品する鯰の画の参考に二、三匹の大鯰をたらいに飼って置いたが、これも跳ね廻って困ったという話だった。
なお一つの例を加えると、当時文部省建築課長であった柴垣鼎太郎氏は、同じ地震の前日鵠沼海岸のある池で投網を試みると、取れるわ取れるわ、一尺くらいの鯰がバケツに三杯も取れたということである。
大正十二年の関東地震の直後に、「日比谷公園の池に鯰を飼っておいた方が、地震学者に頼るより確かかも知れない」