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こうふ
坑夫
線上閱讀夏目 漱石《坑夫(こうふ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,690 字 · 283 頁
自分は今芋を食ったばかりだから、もう空腹じゃない。足は昨夕から歩き続けで草臥れてはいるが、あるけばまだ歩ける。そこで注意の通り、なるべく気をつけて、長蔵さんと赤毛布の後を跟けて行った。路があまり広くないので四人は一行に並べない。だから後を跟ける事にした。小僧は小さいからこれも一足後れて、自分と摺々くらいになって食っついてくる。
自分は腹が重いのと、足が重いのとの両方で、口を利くのが厭になった。長蔵さんも橋を渡ってから以後とんと御前さんを使わなくなった。赤毛布はさっき一膳飯屋の前で談判をした時から、余り多弁ではなかったが、どう云うものかここに至ってますます無口となっちまった。小僧の無口はさらにはなはだしかった。穿いている冷飯草履がぴちゃぴちゃ鳴るばかりである。
こう、みんな黙ってしまうと、山路は静かなものである。ことに夜だからなお淋しい。夜と云ったって、まだ日が落ちたばかりだから、歩いてる道だけはどうか、こうか分る。左手を落ちて行く水が、気のせいか、少しずつ光って見える。もっともきらきら光るんじゃない。なんだか、どす黒く動く所が光るように見えるだけだ。