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まど

堀辰雄集 新潮日本文学16

堀 辰雄

線上閱讀堀 辰雄《堀辰雄集 新潮日本文学16(まど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 58,906 字 · 119 頁

青空文庫

そんな突然私を怯やかした胸の発作がどうにか鎮まってからであった。

思えば、それが私の狭心症の最初の軽微な発作だったのだろうが、それまではそれについて何の予兆もなかったので、そのときはただ自分の驚愕のためかと思った。そのとき自分の家に私ひとりきりであったのが却って私にはその発作に対して無頓着でいさせたのだ。私は女中も呼ばず、しばらく一人で我慢していてから、やがてすぐ元通りになった。私はそのことは誰にも云わなかった。……

菜穂子、お前はO村で一人きりでそういう森さんの死を知ったとき、どんな異常な衝動を受けたであろうか。少なくともこのときお前はお前自身のことよりか私のことを、――それから私が打ちのめされながらじっとそれを耐えている、見るにも見かねるような様子を半ば気づかいながら、半ば苦々しく思いながら一人で想像していたろうことは考えられる。……が、お前はそれに就いては全然沈黙を守っており、これまではほんの申訳のように書いてよこした端書の便りさえそのとききり書いてよこさなくなってしまった。私にはこのときはその方が却って好かった。自然なようにさえ思えた。あの方がもうお亡くなりになった上は、いつかはあの方の事に就いてもお前と心をひらいて語り合うことも出来よう。