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「だん」のかいたい

増補 美学的空間

中井 正一

線上閱讀中井 正一《増補 美学的空間(「だん」のかいたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,324 字 · 44 頁

青空文庫

一体、私達の云っている「き」「け」乃至ウムラウトのついたような「きえ」と云ったような言葉は、何なのか。それ自体が生きて、何か一つの意味をもってはいはしないのか。

爾来、日本の言語論は、「言霊音義解」式の、一つ一つの音に、言霊があって、それぞれ一つ一つの意味をもっていると云うのである。言霊さきはっているから、文字や符牒がいらぬのだと云うのかも知れない。

誰だって、こんなに云われると、暇を見つけて、恐る恐る、その冒険に出かけて見たくなるのである。以下富士の人穴探険の秋の読物めいて二、三記して見よう。

実は漢字渡来前の語彙の表をつくって、その組合せを五十音図表につくって、暇を見ては、パズルを解くように改めてゆくのである。

五十音の中から三つばかりここに例を挙げて見よう。

「た」「一つの方向に直線に走っている力感」としての語感をもつものとして考えて見る。

「方」「手」(方向を指ししめす)「違」(方交う)「副」(手交う)「滝、激」(タギチ)「猛、高、焼〔驍?〕、嶽、丈、竹、感〔威?〕(タケル)」これらのものをじっと見ていると、同じ本質をいろいろの意味に展開しているかのようである。