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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 145,722 字 · 286 頁
それほどの知識がありながら、わざわざここへ迷い込む由もなかろうではないか。
その説明者を見ると、ついこの間、芝の三田の四国町の薩摩屋敷で、南条力を相手に地図を示して、飛騨の国の国勢を説いていた、たぶん、池田といった神楽師の一行では長老株――武州の高尾山では、七兵衛と泊り合わせた中の一人によく似ている。
しかし、かの白面にして豪胆なる貴公子はここにはいません。
時ならぬ時に、神楽師の一行が、つれづれな温泉宿に舞い込んだという噂を聞いて、浮気者の後家婆さんはいたく喜んで、早速、明朝になったら、ひとつやらせて楽しみましょう……と、お湯の中でお雪に話しました。この婆さんの考えでは、多分、越後の国の角兵衛獅子が、国への戻りに舞い込んだものとでも思ったのでしょう。翌日は早速、人を以てかけ合ってみますと、例の一座の長老が、それを聞いて、ニッコリ笑いながらこう言いました、
「われわれどもは角兵衛獅子ではございません、神楽師であります。古えの神楽は神を楽しませ、同時に人を楽しましめんがために行いました。近代の芸術は、神を離れて人間が楽しまんがために作られます。これは悪いことではありません、人が楽しみを求めるのは自然です、自然にその慾求が起れば、これを与えるものの起るのも自然であります。