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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 145,722 字 · 286 頁
それは実に見事なもので、狂犬はクルクルと中空高く舞い上り、堤上の松の枝をかすめて、濠の真中へドブンと落ち込み、しばしは浮みも上りません。
「強いなあ、あの侍は」
歩みをとめた人々が驚嘆して集まるので、兵馬はきまりが悪く、絵馬をかかえて一散に逃げました。
十九
ちょうどその日の薄暮、韮崎方面からこの甲府城下へ入り込んだ武者修行体の二人の者。前に進んでいた逞しいのが、何を思い出したか、刀の柄袋を丁と打って、
「あ、今になって思い当った」
突然に叫び出したものですから、同行の丈の少し低いのがビックリして、
「何だい、何を思い出したのだい」
「あの、例の塩尻峠の……」
と前の逞しいのが、ちょっと後ろを振返りました。これはいのじヶ原の斬合いの一人、仏頂寺弥助であって、それに答えて、
「塩尻峠のしくじりを、まだ持越しているのかい」
それは書生で、医術を心得ているあの時の立会人、丸山勇仙であります。
斬られて介抱を受けた、二人がいないところを見れば、あの傷がもとで死んでしまったか、そうでなければ、まだ治療最中であろう。
「あれはな、あの男は、武蔵の沢井の机竜之助だ――」