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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 145,722 字 · 286 頁
ある時は耳を傾けて、これに興を催してみたり、ある時は書物に念を入れて、それを聞き流したりしているうちに、こまったことには、例の遊民の連中がいつか気を揃えて、いたずらを始めてしまったことです。
「半方が二十両あまる、ないか、ないか」
と中盆が叫び出すと、
「おい、音公、お前に五本行ったぞ」
貸元が念を押す。
「合点だ」
向う鉢巻が返答する。
「六三に四六を負けるぞ、負けるぞ」
と中盆が甲高声で呼び立てると、
「はぐりをうっちゃれよ、打棄れよ」
と片肌脱がせき立てる。
「一番さいてくれ、さいてくれ」
鳴海の襦袢が居催促をする。
「金公、それ三本……ええ、こっちの旦那、お前さんは十本でしたね」
貸元は盛んにコマを売る。
「いいかげんに、やすめを売れやい」
「勝負、勝負……」
駒井甚三郎も、これには弱りました。
この連中も最初のうちは、やや控え目にしていたのが、ようやく調子づいて来ると、四方に遠慮がない。諸肌脱になった壺振役が、手ぐすね引いていると、声目を見る中盆の目が据わる。ぐるわの連中が固唾を呑んで、鳴りを静めてみたり、またけたたましくはしゃぎ出したりする。
こうなっては隠れていることも、書物を読むこともめちゃめちゃです。