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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 145,722 字 · 286 頁
と言って気焔を吐きました。
この気焔によって見ると、道庵先生自身はエライ奴の部類に属していて、薄っぺらな奴に属していないという理窟になるのですが、米友はそこまでは追究せず、なるほどそういうものか知らんと思いました。
宇治山田の米友は、伊勢の大神宮のお膝元で生れたから、神様の有難いことを知っている。そこで道庵につづいて笠を取って、恭しく氷川大明神の前に礼拝をすると、
「こいつは感心だ、見かけによらねえ」
と言って道庵が手をうってよろこびました。
その時、道庵先生は米友に向って、
「神様を拝むには、少し遠く離れて拝まなくちゃならねえ、あんまり賽銭箱の傍へ寄って拝んじゃならねえ……ちょうど、この鳥居前あたりがいいところだろう」
と神様を拝む秘伝を教えますと、米友が解せない面をしました。
「先生」
「何だい」
「どこで拝んだって、心さえ誠ならば、それでよかりそうなものじゃねえか……よしんば賽銭箱の前で拝もうと、鳥居前で拝もうと、信心に変りがなければ、御利益にも変りはなかろうじゃねえか」
と米友が不審を打つと、道庵はそこだとばかりに、
「それが素人考えというものだ」
と一喝を試みました。