輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 頁
三日まで七兵衛の音も沙汰もなかったその夕べ、神尾がいらいらしているところへ、お絹が酒を薦めました。
酒を薦めて悪いことは知って知り抜いて、それを取り上げているお絹が、たまには、といって一杯の酒を薦めたのが、神尾のこの鬱陶しい気分を猛烈にする。
一杯――二杯。
そこでお絹が、七兵衛の奴の、気障で、皮肉で、憎いことを説き立てる。つまりああして大金を放り出して、乾ききっている吾々の前へ出しておくのは、吾々のよわみを知って、とても手出しができまいとたかを括っての仕事だ、金銭は欲しいとはいわないが、その仕向け方が癪じゃありませんか……というようなことを煽り立てる。
久しぶりの酒が利いて――無論、まだ酒乱の兆す程度には至らないし、またそこまで至らしめないように、そばで加減はしているが、神尾主膳が早くも別人の趣をなして不意に立ち上り、
「よし、目に物を見せてくれる」
長押にあった九尺柄の槍を取って、無二無三に、かの暗澹たる鎧櫃の座敷へ侵入しました。
主膳が九尺柄の槍を取って、かの暗澹たる鎧櫃の間へ走り込んだのを、お絹は引留めようともせずに、手早く手燭を点して、その跡を追いかけました。