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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 頁

青空文庫

宿の男衆が申しわけばかり先にして、事実をいわないものだから、米友がいよいよ急き込みました。

「おいらは申しわけを聞いてるんじゃねえぜ、先生がこっちへ来たか、来ねえか、それを聞いてるんだぜ、来なけりゃ来ねえように、こっちにも了簡があるんだからな」

「それがまことにどうもはや……」

「来たのか、来ねえのか。おいらの先生は下谷の長者町の道庵といって、酔っぱらいで有名なお医者さんだ、その先生がこっちへ来たか、来ねえか、それを聞かしてもらいてえんだぜ」

「へえ、おいでになりました、たしかにおいでになりました」

「そうか、それでおいらも安心した、そうして先生は、お前の家へ泊っているのかい?」

「へえ、手前共へお着きになりました、それからが大変なんでございます、まことに申しわけがございませんが……」

「お前のところへ泊って、それからどうしたんだい……何が大変なんだ」

米友は事態の穏かでないことを察して、地団駄を踏みました。何か変った事が出来たに相違ない。先生としては、世話が焼けた話だが、自分としては、職務に対して相済まないと、米友の胸が騒ぎ出しました。

「早く言ってくんねえな、おいらの大切な先生だ、何か間違いがあった日にゃ、おいらが済まねえ」