輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 頁
「よろしい、その切支丹をひとつ描きましょう」
と言いました。これが負けず嫌いのお角を喜ばせたこと一方でなく、相手をいいこめて、自分の主張が通ったものでもあるように意気込んで、
「描いて下さる、まあ有難い、それで本望がかないました」
それから一層心をこめて白雲を款待しました。白雲も久しぶりで江戸前の料理に逢い、泰然自若として御馳走を受けていましたが、今宵は、いつものように乱するに至らず、ひきつづいて駒井甚三郎の噂。駒井のために一枚の美人画を描いてやったが、それが、自分ながらよく出来たと思い、駒井も大へん気に入って、この脇差をくれたということ。それから、いいかげんのところで切上げる用心も忘れないでいると、お角が、
「ねえ先生、お差支えがなければ、わたしどもへおいで下さいませんか、二階が明いておりますから、いつまでおいで下さっても、文句をいうものはございません、そこで、どうか精一杯のお仕事をなすっていただきとうございます」
お角は背中の文身を質においても、奉納の額に入れ上げる決心らしい。
七
田山白雲がお角の宅へ案内されて、二階のお銀様の居間であったところに納まると、お角はとりあえず、かなり大きな二つの額面を戸棚から出して、白雲の前に立てかけました。