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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 頁
名前を問えば、もゆると答えました。駒井が念を押すと、
「もゆるとは、草木のもゆるという意味でつけたんでしょう、わたしにはよくわかりませんけれど」
と答える。姓は岡本といわずに、里見と呼んでもらいたいということ。
保田から昨晩、夜通しここまで歩いて来たが、一人で夜道をしても少しも怖いとは思わないということ。山でも、坂でも、さして疲れを覚えないで歩き通すということ。途中、人にであっても、こちらより先方が怖がってよけて通すということ。
それでもよわみを見られてしまってはもう駄目だということ。
打明けた話を聞かされていると、駒井は不愍の思いに堪えられなくなりました。なるほど、これをこのまま突き出してしまえば、残れるところのすべてのものを、泥土に委してしまうのだ。本来、よい育ちでもあり、また生来、悪い質の娘ではない――そのうち、尋ねる人が来たならば、よく話をしてやろう。来なければしかるべき保証を以て、送り届けてやらねばならぬと考えました。
しかし、差当っての問題は、今夜の問題で、この娘をどの室へ泊めるかということです。金椎と同室に置いて、もし夜中に脱走でもされた日には困る。