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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,484 字 · 60 頁
徳川家は農民を見ること牛馬以下であって、農民にとって、徳川家は仇敵ででもあるかのように聞えるが――事実、天下の政治をするものに、好んで農民を苦しめたがる奴があるものか、苦しめるには苦しめるだけの理由があるからだ、苦しめられる方は、苦しめられるだけの因縁があるからなのだ。
いったい、発祥時代の徳川家の地位を考えてみるがいい。天下は麻の如く乱れて、四隣みな強敵だ。その間から千辛万苦して天下を平らかにする――勢い兵馬を強からしめねばならない。兵馬を強からしめるには、後顧の憂いを断たなければならない。兵馬を強からしめるには、兵馬を練ればよろしいが、後顧の憂いなからしむるためには、百姓を柔順にして置かなければならぬ。百姓は、矢玉の間に命がけで立働くには及ばない代り、柔順に物を生産して、軍隊の兵站を補充しなければならない。万一、百姓を強くしてこれに反抗の気を蓄えしめた暁には、強い戦争ができるはずはない。そこで百姓を骨抜きにして置かなければ、軍隊を強くして、天下を平定することはできないのだ。
だによって、家康が百姓を抑えたのは、武力を伸ばさんため。武力を伸ばすのは、天下を平定せんがためなのだ。