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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁

青空文庫

その主唱者は七兵衛で、また委員長も七兵衛であります。取って置きの食糧を整理して、赤の御飯を炊く、手づくりの諸味の口を切る、海でとった生きのいい魚、陸で集めた自然の野菜、バナナ、パイナップル、それから信天翁を料理した肴、そういったような山海の珍味を用意して、折柄、その晩は大空に皎々たる月がかかり、海上千里、月明の色に覆われて、会場は椰子の葉の茂る木の間に開かれてありました。

勇ましき開墾の凱歌を唱えて、一同が飽くまで、この月に酔い、海に躍るの興は、世界に二つとない、ここまでの苦を慰めるに余りあるもので、全員がみな十二分に歓を尽し、歌うもの、踊るもの、吟ずるもの、語るもの、さまざまに発揮して、島一つ浮き上るような景気でした。

七兵衛は、自ら楽しむと共に、司会者としての用心に抜かりなく、白雲は酒を呑んで、ひとり嘯いて豪吟をはじめる、それについて清澄の茂太郎が、身振りあやしく踊って倦きないものですから、田山も歌って疲るるということを知りません。茂太郎の踊りは一座の花であると共に、他の船頭たちもまた、これにそそられて芸づくしがはじまります。白雲は興に乗じて、それらのお国芸をいちいち審査審判して廻りました。