輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁

青空文庫

ものです。

事実、秘密は保たれている――と信じきったところに過ちはなかったもので、今も現に、一人として異様な眼で見るものはないのは、まさに相違ないのですが、たった一人の者に、その秘密を見破られてしまっている――ということに、二人が気がつかなかったというのは運の尽き――いや、それが結局、喜ぶべきことかも知れません。この同志の中のたった一人が、早くも二人の秘密をうかがい知ってしまいました。

その一人とは誰。神秘に属する官能を与えられた無邪気な清澄の茂太郎か。いいや、そうではない。茂太郎は鋭敏な天才に似ているけれども、まだその世界を知るまでには、年齢の力が許していない。つまり、それを最初に見破ったのは別人ならず、七兵衛入道なのであります。

七兵衛は、もう翌日の朝、二人の間を見破ってしまいました。

朝の御機嫌伺いを兼ねて、事業の進境の相談をするために、真先におとずれた時に、平静を極めた二人の、常と少しも変らない態度とあいさつのうちに、どこをどう見つけたか、心のうちに肯くものがあって、そこはやっぱり狸ですから、二人がなにくわぬ表情をしている以上に、この男は尋常な面つきで、いんぎんに聞くべきを聞き、述ぶべきを述べて、天幕の中へ引下って来たが、まだ働き手は誰も出動していないテントの炉の前で、煙管を一つポンとはたきながら