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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 104,838 字 · 204 頁
なんでもお江戸から船のお着きになるのを待兼ねての御様子でございました。あ、そうか、そうして年頃は、うむ、なるほど……
それこそ七兵衛おやじに紛れもないと、白雲が直ちに覚りました。そうしてみると、あの道祖神の絵馬も、ますますあのおやじの仕業に違いない。なお、してみると、あの絵馬は、特に自分の筋道を慮って、そうして目印に、こちらの目につき易いようにとの親切でしたことだ。今ここで、わざわざ清澄村茂太郎の署名をした絵図を忘れて行ったのも、何かこれを我々のための合図の下心ではないか。なかなか細かいところに親切のある男だな。
ああ、そう言えば、なるほど――何のこった、迂濶千万、今までのことにまぎれて、それを忘れていたが、あの名取川べの蛇籠作りの時に、あの男が、房州に残し置ける拙者の財産を、危急の場合にかき集めて、石巻の宿まであずけ置いたということだったが、そうだ、何といったかな、その宿の名は――そうそう、田代の冠者で覚えている、田代屋というのだ、その石巻の田代屋というのへ、房州に残し置いた拙者の財産を持って来て預けて置いたと、名取川であの男が確かに言った――この宿が、その田代屋ではないか、そうだ、田代屋だ、この帳面にある。