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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

田山白雲は、物珍しそうに、わざわざひざまずいて、その子供のこぶしほどの大きさな根塊を、一つ拾い取って打ちながめ、

「何だろう?」

会話の興味を中断して、白雲はその根塊の吟味にとりかかる。

見慣れない小さなグロテスク、それも一つや二つならばとにかく、砂浜のかなりの面積の間に振りまかれたように、ほとんど無数に散乱しているものですから、白雲も、特に注意をひかれたようで、特に手にとって熟覧してみたけれども、その何物であるかは鑑定に苦しむ。ただ、ぬかごの形をして大きく、さつまいもに似てぶかっこうな、一種の植物の根塊であることだけは疑いないらしい。

白雲は腰をかがめたままで、その根塊の一つ二つを拾い、しさいに打ちながめていると、駒井甚三郎は、立ちながら白雲の手元をのぞき込み、

「これはジャガタラいもですよ」

「え、ジャガタラいも……?」

「そうです」

田山白雲はまだジャガタラいもを知らなかったが、駒井甚三郎はよくそれを知っている。

ただ駒井がいぶかしげにそのジャガタラいもを眺めていたのは、ジャガタラいもそのものが珍しいのではなく、この辺では、まだこれを栽培していないはずなのに、こうも多数に海岸に散乱しているのはなにゆえだろう。