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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

そこへ田山白雲が追いかけて来て、その身構えを見て、あきれ返りました。

これは窮鼠猫をかむという東洋の古い諺そっくりで、狼狽のあまりとはいえ、あの身構えのザマは何だと、白雲は冷笑しながら近づいて行って、その首筋を取って引落そうとする途端を、どう間違ったのか、その名状し難い妙な身構えから、両わきにかい込んだ拳が、電火の如く飛びだして、白雲の首からあごへかけて、したたかになぐりつけたものですから、不意を食った白雲がタジタジとなるところを、すかさず第二撃。

さすがの白雲がそれに堪らず、地響きを立てて床の上へ、打ち倒されてしまいました。

起き上った時の白雲は、烈火の如く怒りました。

だが、最初にばかにしたあの変な身構えの怖るべきことを、この時は気がついたようです。変な身構えが怖ろしいのではない、あの変な身ぶりから飛びだす拳の力が、怖ろしいのだとさとりました。

だから、こいつ、何か術を心得ていやがるなと感づいたのも、その時で、そう無茶には近寄れない、強引にやれないと、気がつきながら起き上って見ると、まだ逃げることも、廻り込むゆとりもない大の男は、同じような変な身構え――それを言ってみると、身体の半分を屈して、眼を皿のようにし、両方の拳をわきの下へ持って来て、そのこぶしをしかと握ったところは、たとえば、柳生流の柔術